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超人と末人って何のこと? ニーチェ哲学の優しい解説

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末人

人生に目的もなく、できる限り衝突を避け平凡に余生を送る人

 

 

こんな人のことを言う・・・

 

事なかれ主義で衝突するくらいなら我慢しようと考える人

特に目的もなく働いて、余暇を無意味にゲームやネットで潰している人

ほどほどに暮らし衣食住と安価な娯楽で満足している人

 

超人

自らで生きることの意味を作り強く生きていく人 

 

こんな人のことを言う・・・

 

人生を賭け全力で優勝を目指すアスリート

自分の目指したものに全力で挑む人

連続企業家みたいな次々にやりたいことに挑戦する人

 

 

何故ニーチェは突然こんなことを言い出したのか?

 

ニーチェの生きていた時代では科学が急激に発達し、宗教や教会の力を次第に弱まっていきます。

 

科学の発展により宇宙や物質、人間は創造主により生み出されたのではなく、ビッグバンなどのただの偶然による現象で生まれたと言うことが次第に明らかになってきます。

 

皆んなが、神様の存在を信じられなくなったことで、人々は生きる意味を失ってしまいました。

 

何故生きる意味を失ってしまったのか?

 

ここでわかりやすく言うと、例えば誰かがお皿を作ったとします。

そのお皿は何故作られたのでしょうか?

 

料理を載せるためにせよ、飾るためにせよ、そこには当然、お皿を作った意味(意図)があったはずですよね。

 

教会が権威を持っていた時代の人々は神に仕えて生きる、天国に行くために徳を積むといった明確な人生の目的を持っていました。

 

人間を作った神(創造主)がいない=つまり人間が生まれた意味なんてない

と言う結論に自然と行き着いてしまいます。

 

目的も意味も失った人たちは次第にニヒリズム(虚無)に陥り、何の目的もなく平凡にだらだらと余生を消費する末人と化してしまいます。

 

これってまさに現代を生きる私たちのことですよね。。

 

現代の日本では、生きてる意味がわからないと考える人たちは増えています。

 

とりあえず生活はしなければならないので何となく働く、余った時間は何をするかと言うと、何となくYouTubeを見たり無料のスマホゲームでポチポチタップして暇をつぶす。

そこには明確な意図はなく、ご飯を食べて寝てまた仕事...

 

 

ニーチェが偉大だったのは、ただ人々に現実を突きつけただけでは終わりにせず、当たり前だった価値観が崩壊した世界、つまり神が死んだ世界でも強く生きるための指針を残してくれました。

 

価値観の崩壊した世界で強く生きるには。

超人であれ  ~ニーチェ~

 

神が死んだ世界でも強く生きていくためにニーチェ超人思想を提唱しました。

 

超人思想とは、先ほど説明した超人のような思想(信念)を持って生きると言うことです。

 

ランナーになりたければ世界最速を目指し、パティシエになりたければ最高におしゃれなケーキを作り、ゲームを作りたければ最強に面白いゲームを作ろうと目指す。

 

無意味な世界でも、自ら目的を作り出し、そこに全力で打ち込むことのできる超人的な思想を持った人間。

 

そんな人間こそ、ニヒリズムに陥った世界でも強く生きていくことができるとニーチェは主張しています。

 

 

 

これがニーチェだ (講談社現代新書)

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