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能力が伸びない人が注意するべき『3つのバイアス』と知的謙遜の重要性

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仕事や目標達成での大失敗を回避するため注意しておくべき3つのバイアスを紹介します。

 

「バイアス」とはわかりやすくいうと、意思決定の際に脳の中で無意識に起こる不具合のようなものです。

 

多くの人が、このバイアスに左右されてしまうことで正しい決断ができないといわれています。

 

自分が正しいと間違った方向に進んで行き、止めてくれる人や善意で忠告してくれた人にも気付けずに

 

それはまるで、意図せずして自分を落とすための穴を自ら一生懸命に掘っているような状況です。そしていずれその穴に自分が落ちてしまいます。

 

そんな罠に陥らないためには、バイアスが起こりそうな時や起こってしまった時にそれを自覚して軌道修正するべく、バイアスの種類や特徴を知識として学んでおく必要があります。

 

それでは行きましょう。

 

1. ダニングクルーガー効果

 

皆さんにも、本人は特別頭がいいわけでもないのですが、「あいつはバカ!」とか「まわりはバカばっかりだ!」と周囲を見下した態度をとってる人を見たことがありませんか?

 

そういう人がいたら、それはダニングクルーガー効果に陥っている可能性が高いです!

 

ダニングクルーガー効果とは、知的レベルが低い人ほど自分を賢いと思い込み、周りを見下す心理状態を示す心理学用語。

 

この効果が起こる原因としては、頭の悪い人ほど自分の知識や能力の現在のレベルを認知することが出来ないため、このような思い込みを起こしてしまいます。

 

ですので、先ほどのような発言も自分の能力を客観的に見ることができないが故に起こる現象だと言えます。

 

ダニングクルーガー効果に陥り、「私は賢い!まわりはバカだ!」と決めつけてしまうことにより、本当は自分が能力がないにも関わらず、過信のせいで仕事で大失敗をしたり、内気なだけで本当は話したら知識や才能を持っていている素晴らしい人がいたとしても、自分から遠ざけてしまったりなどと、多くのチャンスを逃してしまいます

 

ダニングクルーガー効果に陥らないための知的謙遜能力については後ほど解説します。

 

2. 確証バイアス

 

確証バイアスとは、自分が一度信じたことに都合の良い情報ばかり集めてしまい、反証する証拠が出たときに考慮することなく拒絶してしまうバイアスのこと。

 

わかりやすくいうと、自分が正しいと思ったら、どんなに正確で論理的な反対意見が出ても、「違う違う!私は正しいのだ!」と思い込んでしまう現象

 

歳を取れば取るほど、若い人に比べて、権力やアイデンティティが増え、脳の開放性(新しいことを受け入れる能力)も下がるので、陥りやすいです。

 

なので頑固オヤジや老害と言われる人たちは確証バイアスに陥っている可能性が高いですね〜。

 

確証バイアスに一度陥ると、自分が間違った方向に進んでるのを警告してくれる人も、遮断して受け入れることができなくなってしまいます。

 

なので人生の大事な局面で大失敗をしてしまうことも...。

 

 

 

3. レイクウォビゴン効果

 

根拠なしに自分は平均以上だと思い込むバイアス。

 

名前の由来はアメリカのとある劇作に登場するレイクウォビゴンという架空の町。

レイクウォビゴンの住民は全ての女性が強く美しく、男性はハンサムで子供たちも全員優秀というもの..(まさに非の打ち所がない笑)

 

レイクウォビゴン効果に陥ってしまっている人は、かなり多く、実際に心理学者がアンケート調査を行ったところ、ほとんどの人は、自分は周りの人間よりも常識があり、正義感に優れていて、能力も人並み以上だと考えていたそうです。

 

根拠なく自分が人並み以上だと思い込むことの弊害はいくつもあります。

 

詳細は、次の章で説明します。

 

そして「知的謙遜」の重要性

 

世界トップの企業であるGoogleは入社試験の際に、この「知的謙遜能力」を最重要視しているそうです。

 

知的謙遜とは、わかりやすくいうと自分の知識や知能に慢心せずに謙虚な態度を取るということです。

 

この知的謙遜能力が低い人は、上記した3つのバイアスの罠にハマりやすく、自分の能力を過信してしまう傾向があります。

 

自分の能力を高く見積もり過ぎると、目標達成や人間関係で大失敗を招きます。

 

誰でも現在地が間違っているマップを見ていたら、目的地にたどり着くことはできませんよね。

 

古代ギリシアの哲学者ソクラテスは、

「知的探究は自らの無知を自覚する一歩から始まる。」 

という教えを残しています。

 

要約すると、まずは自分が知らないことを認めないと学ぶことはできないんだよという事。

この有名な教訓は無知の知という言葉して知られています。

 

確かに、自分が全てを知ってると思っていたら、何かを知ろうとしたり学びたいとはと思わないですよね。。

 

自分の無知を認めることをしないと、物事を知ろうとしなくなります。

 

 つまり、知的謙遜能力の無い人はどんどんと頭が悪くなっていき、いずれは周りに追い抜かされてしまいます。

 

よく考えれば当たり前ですよね。

 

改革や進歩を重視するGoogleが重要視するのも頷けます。

 

誤解しないで欲しいのが、自分を卑下する必要はありません。

 

「知的謙遜 = 自分の知識や能力に謙虚でいること」とは、

自分が間違っていたら素直に聞き入れ認めれる「力」、そして自分よりも賢い人がいたらそれに学ぼうとする「姿勢」。

 

それこそが知的謙遜能力なのです。

 

 

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