【絶滅種紹介】かつて存在した心優しき大海獣「ステラーカイギュウ」の悲しき物語
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日本名: ステラーカイギュウ
英語名: Steller's sea cow
学名: Hydrodamalis gigas
体長: 7~8.5m
重さ: 5000~12000kg
今回はかつて存在した伝説の大海獣、ステラーカイギュウが絶滅に至った物語を紹介します。
ステラーカイギュウは北太平洋の寒冷な海に住んでいました。
寒い海に住むジュゴン目(カイギュウ類)は現在地球上に存在しません。ステラーカイギュウは、寒冷適応型のジュゴン目の最後の生き残りでした。
(ちなみにステラーカイギュウ以外の寒冷適応型のジュゴン目は有史以前に絶滅しています。)
ステラーカイギュウ達はとても穏やかな性格で、島の周辺の浅い海に群れを作って暮らし、完全草食(ヴィーガン)で昆布などの海藻類を食べていました。
ステラーカイギュウは夏にたくさん食べて、冬になると絶食状態になり蓄えた脂肪のみで生活していたそうで、冬は夏とは真反対に痩せていたそうですw
とてつもなく大きな体ですが、性格は穏和で優しく、争いをしたり他の生き物を襲うことは無かったそうです。
そんなステラーカイギュウ達は人間のいない島で、美味しく海藻を食べたり、のんびりと浮かんだり、友達と遊んだりして平和に暮らしていました。
しかし、ある時そんな彼らの平和は終わりを告げました..。
ステラーカイギュウが絶滅に至った経緯
1741年、長い航海の途中で遭難したドイツ人博物者ステラーの船がステラーカイギュウ達の住む島にやってきました。
長い遭難の途中で飢えに苦しんでいたステラー達は、一匹のステラーカイギュウ捕まえ、その肉と皮を手に入れ、無事生き延び、帰還することができました。
帰還したステラー達は、「とても金になりそうな動物がいる」と、ステラーカイギュウ達の住んでいた島の事を人々に言いふらしました。
この話は一気に人々に広まっていきました。
ステラーカイギュウを捕まえて肉や皮を売って儲けようと考えた者達は、ステラーカイギュウの住む島を目指しました。
悪夢の始まりです。
そして、たくさんの欲深い人達がステラーカイギュウの住む島にやってきました。
彼らは次々とステラーカイギュウを殺していきました。
長い間平和に暮らしていたステラーカイギュウ達は、あまりに突然の恐ろしい出来事に、どうしていいかわかりませんでした。
ですがステラーカイギュウ達はとても仲間思いでした。彼らは人間に襲撃された際も矢で刺されたり捕まった仲間達を見捨てて逃げることはせずに必死に助けようとしました。
そんな優しく仲間思いな性格がハンター達に利用されてしまい、あっという間にステラーカイギュウ達の数は激減していきました。
そして1768年、かつてステラーの仲間であったイワン・ポポフという男が島に行った後に帰還しました。
イワン・ポポフは、「ステラーカイギュウがまだ3頭残っていたので殺した」と報告しました。
この3頭が地球最後のステラーカイギュウでした。
ステラーカイギュウは、欲深い人々に次々と乱獲されてしまい、あっという間にこの地球上から姿を消してしまいました。
元々は人間の来ない海域でひっそりと平和に暮らしていたのに、人間に見つかってからたった27年という期間で絶滅させられてしまいました。
ステラー達は自分達の命を救ってくれたステラーカイギュウに感謝をすることは無く、それどころか人々にこのことを言いふらしました。
そしてイワン・ポポフという男はその3頭が最後のステラーカイギュウと知りながら殺し、絶滅させたのです。
この出来事からステラーの名前がつけられステラーカイギュウと呼ばれています。
いかがでしたか?今回はかなり悲しいストーリーでしたね。
私は、何も悪いことをしていない、ただ平和に暮らしていただけの優しいステラーカイギュウ達を自分たちの欲望で絶滅させた人間達が絶対に許せません!
同じ過ちを繰り返さないためにも、地球は人間だけのものではないという事に気づいて、環境問題になどについて考える人が増えてくれることを願っています。
「人間に見つからないどこかで実はひっそりと生きていた」みたいなストーリーだったらいいのになぁ...。