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「シロクマ実験の教訓」そのイヤな記憶が消えない理由

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最近『シロクマのことだけは考えるな』という本を読みました。

認知心理学の観点から、性格や行動を変えていこうという内容で、心理学者の方が書かれている本で、とてもわかりやすく面白かったです!

 

なぜ、タイトルがシロクマのことだけは考えるななのかと言いますと、、

 

「シロクマ実験」~忘れようとすればするほど忘れられない~

 

1987年にこんな実験がありました。

被験者たちにシロクマに関する映像を見てもらった後、被験者を3グループに分けて、それぞれに分け、

「シロクマのことを覚えてください」
「シロクマのことを考えないようにしてください」
「シロクマのことを考えても考えなくてもどっちでも良いです」

とそれぞれに別の指示を出しました。

 

そして、約一年後に被験者たちにシロクマの事を覚えていますか?と尋ねたところ、

なんと「シロクマのことを考えないようにして下さい」と指示したグループが一番、シロクマの事を覚えていたのです。


その実験で思考を抑制しようとすればするほど、思考が活性化してしまうということがわかったのです。

 

わかりやすく言い換えると、

私たちの脳みそは、忘れようとすればするほど、逆にその事を考えてしまい、忘れられないようになってしまうということです。

 

人間の脳とはなんとも皮肉な者ですねw..

 


自分はどうもネガティヴ思考だという方や、うつ病や過去のトラウマでどうしても反芻思考をしてしまう...という人に特に勧めたいの本です。

 

 

 

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